企業によっては、社員旅行が社内の行事に組み込まれていることもあると思います。社員や業務のことを考えて実施されているのですが、その日程が近づくにつれて憂鬱な気持ちが増していく人もおられるのではないでしょうか。今回の記事では、そんな社員旅行の目的や憂鬱になる原因、そして前向きに社員旅行に参加ができるようになる考え方などを紹介します。「社員旅行に参加するのは、気が重い」と考えている人は、是非参考にしてください。
まず社員旅行の目的について説明します。なぜ社員旅行が行われるのか、その理由を確認してみましょう。
◇親睦を深め、コミュニケーションを活性化させる
同じ会社に勤めていて、業務で関わりがあるとはいえ、顔を合わせたことのない人もいるでしょう。相手が違う部署の場合や、遠方の支店に勤めていると、業務を超えたコミュニケーションが取りにくいものです。
社員旅行の場合、普段交流のない社員とも話すことができ、会社内での従業員同士のコミュニケーションが活発になる可能性もあります。
◇チームワークが強化され、業務効率が上がる
ともに旅行で過ごすことにより、強い連携が取れるようになる可能性があります。多くの人と一緒に携わる業務を、スムーズに行うことができるようになるでしょう。また、多くの人と関わることにより、より広い視点を持てるようになる可能性もあります。
◇モチベーションアップ
普段はなかなか行けない場所を訪れ、イベントに参加することにより、これからの仕事のやる気につなげる狙いもあります。いつも頑張っている社員へのご褒美の側面もあります。
では、次に社員旅行が憂鬱になる原因を挙げていきます。さまざまな理由がありますので、自分に当てはまる理由を確認してみましょう。
◇会社の人間関係に気を遣う
同僚は一緒に働いている仲間ではありますが、家族や友人とは違い何かと気を遣う関係です。リラックスをしてともに過ごすというよりも、どうしても多少の緊張感がある関係になりやすいでしょう。
社員旅行の場合は、9時間程度拘束される通常業務とは違い1泊から、長い場合は4泊以上も同僚と一緒に過ごす必要があります。とくに周囲に気を遣うタイプの人は、より社員旅行に対して憂鬱な気持ちを抱きやすいでしょう。
◇プライベートの時間がなくなる
仕事の延長のイメージがある社員旅行ですが、時に社員の休日を利用して実施される場合もあります。その場合、「休日を返上して仕事をしている」という風に考える社員もでてきます。昨今では、ワークライフバランスを大切に考える風潮もあるため、社員旅行自体が苦痛に感じる社員も多いです。
◇団体行動が必須
社員のなかには多くの人と関わるのが好きな人だけでなく、人と長い時間を過ごすのが苦手な人もいます。とくに職場に苦手な上司や部下がいる場合は、1日中一緒に過ごさなければならないため、行く前から苦痛を感じやすくなるでしょう。
旅行の最中は、スマホを触ったり、トイレに行ったりするのも、周りの空気を読みながら行わないといけません。その息苦しさから社員旅行が憂鬱だと思う人もいるようです。
◇お金を使う必要がある
社員旅行の資金は、積立金として給料から差し引かれることもあります。そのため、負担額が多い場合は、社員の不満が高まっていくことがあります。社員のためを思って計画された社員旅行であっても「社員旅行費として給与から引くのではなく、その分支払ってほしい」と考える社員もいます。とくに旅行先が行きたい場所ではなく、負担額が大きな場合は、より社員旅行への憂鬱感は高まるでしょう。
◇宴会の場でのセクハラ・パワハラ
社員旅行の場ではよくある宴会ですが、セクハラやパワハラが発生する可能性があります。酒で酔っ払った上司から身体を触れられたり、業務のことについて人前で叱責を受けたりするなど、問題が起こるケースもあります。立場を利用した上司による嫌がらせ行為が起こることもありますので、それを心配して社員旅行に参加したくないと考える社員もいます。
これまでに社員旅行の理由と、憂鬱になる原因を確認しました。では次に、憂鬱な気分にならないようにする考え方をみていきましょう。前向きな気分で参加できる考え方を挙げていきますので、参考にしてください。
◇自分のためのアピールチャンスとして捉えてみる
もし社員旅行が憂鬱だと感じるのならば、社内で自分を売り込むためのチャンスだと考えてみることをおすすめします。
社員旅行は普段関わっている上司や同僚、そして他部署、他支店の方々と交流を深める絶好の機会です。うまく交流を持ち、親睦を深めることができれば、将来的に業務で力になってくれるかもしれません。
多くの社員と連携することにより、より大きな仕事を成し遂げることができます。さまざまな人に自己アピールできるチャンスだと捉えてはいかがでしょうか。
◇イベントを業務に生かす
社員旅行がスキルアップにつながることもあるでしょう。社員旅行が研修を兼ねている場合もあり、参加することにより業務に役立つスキルを身につけることができます。
また社内イベントを企画する側に回ることにより、人を楽しめたり・喜ばせたりできるといった技能を高めることができます。とくに顧客満足度を上げる業務についている人は、イベントを設計する側につくことにより、実際の業務で役立つ経験を積むことができます。
「参加するには気が重い」と考える人もいる社員旅行ですが、参加するメリットも数多くあります。せっかく参加するなら、より前向きな気分で参加したいものです。さまざまな人と交流を行うことで、未来のチャンスを掴めるかもしれません。無理のない程度に社員同士での関わり合いを楽しんでみてはいかがでしょうか。