研修旅行(社員旅行)の必要性には賛否両論あり、社員旅行を行うべきか迷っている企業も多いのではないでしょうか。
社員旅行は面倒だと感じている社員もいるかもしれませんが、社員旅行にはそれを大きく上回るメリットがあります。
社員旅行を計画する人たちは、その目的やメリットを理解していても、 参加者はそれらを理解して参加しているでしょうか?参加者である社員一人一人が社員旅行の目的やメリットを理解し、必要性を感じることができれば、不満など起こらずに社員旅行に参加できるかもしれません。
社員旅行や研修旅行をする目的の例を、具体的に3点紹介していきます。
◇1.業務の円滑化
社員旅行は、社内のこの部署には、このような人物がいるということを全員に知ってもらうためのとてもいい機会になります。
いつも仕事をしている会社の中では、交流が一方的になってしまい、他の部署とはほとんどやりとりがないというケースもあります。そういった普段コミュニケーションをとったことのなかった人とも、社員旅行をきっかけに関わりができれば、社内のコミュニケーションが活性化していきます。
社員旅行中に会話をしたことで、社内でも話しかけやすくなり、別部署にも業務に差し支えがあることを伝えられるようになるなど、円滑に仕事ができるようになることを目的としています。
◇2.チームビルディング
チームビルディングとは、チーム内で一つの目標にベクトルを合わせて互いに協力しあいながら仕事をしていけるチーム(組織)づくりのことです。
そのような組織づくりを実現していくために、 いつもバラバラでパソコンに向きあっているオフィスの形態から抜け出し、社員旅行や研修旅行で団体行動をすることは効果的です。
いつもより近い距離で長い時間を共に過ごすことで、お互いの短所を知って補いあい、長所を生かすことができれば、協力的で結束力の高いチームづくりを実現することができます。
研修旅行という形では、 セミナー受講の他にも、トレーディングゲーム(貿易ゲーム)などのチーム力を高めるゲームを取り入れることで、楽しみながら研修を受け入れることができます。
社員旅行で会社のチーム内で行動することは、お互いのことを知り、チームビルディングを実現していくための大事な機会なのです。
◇3.個人のスキルアップ
中堅社員や管理職向けには、スキルアップを目的とした研修をすることもできます。
例えば、いきなり実務としてマネジメントに入る前の訓練として、体験型ビジネスシミュレーションを取り入れ、個人の分析能力・交渉能力・決断力などを試し、思考バターンや行動パターン、弱点を明確にしていくことができます。そこで得られたデータを元にマネジメントに取り組む事でより効率的なスキルアップが望めます。
研修旅行ではいつもの環境から離れることで、スキルアップを目指す社員達に、自分を見つめなおす時間ができます。普段は意識していなかった部分が改めて見えるようになり、成長に繋がるのではないでしょうか。
社員旅行によって、社内でのコミュニケーションが生まれ、チームワークができれば、社員が会社に属している実感を更に高めていけるというメリットもあります。
また、社員同士がお互いを知り、個人の弱点や問題点を見つけだして解決することができれば、それぞれの社員のスキルアップや幸福感にも繋がるでしょう。
これらのメリットを感じる為には、社員旅行ではメンバー間で成長を促す機会を得る必要があります。個人がチームの一人として積極的に動くことを目的とした社員旅行を計画するといいでしょう。
社員旅行は、組織を活性化する目的があるから行われるのであって、 福利厚生としての単なる価値の提供ではありません。
仕事だけで、社員同士コミュニケーションのない会社もある一方、お互いの存在を理解しあうコミュニケーションづくりを目指している会社があります。生産性や効率はもちろん後者のほうが良くなります。
普段の業務にプラスの影響を与えるような社員旅行が、会社や社員にとって必要な社員旅行だといえます。
社員旅行のテーマとして以上のような目的やメリットを明確にしておけば、社員に参加する必要性があると自覚してもらえるのではないでしょうか。
毎年の恒例行事だから参加者を募るというのでは、なかなか参加する意欲をアップさせられないですよね。
単に福利厚生の一環というのではなく、必要なのは、「目的」や「メリット」といった社員旅行の必要性です。メリットには、これまでに挙げてきた例のように、仕事へのモチベーションを高めることや、更にリフレッシュの場を提供することなども考えられます。
参加者にメリットを感じてもらうために、どのような社員旅行がいいか、あらかじめアンケートなどとってニーズをリサーチすることも有益です。経営者幹部で、こういう社員旅行がいいだろうと独断で決めてしまうことは、社員にとってメリットに感じられない場合もあります。事前アンケート(ヒアリング)は、参加したいと思わせる大事なポイントです。
目的やメリットが分からないままだから、社員旅行なんて行かなくてもいいという気持ちも起きてしまいます。社員旅行を楽しんでもらうために、あえて仕事という位置づけをしない場合も考えられますが、実際には社員旅行は、業務の効率性をもたらす社員トレーニングの一環になります。