貸切バスなどを利用して社員旅行をする会社もあるかと思いますが、貸切バスの運転手や、旅館やホテルの仲居さんやスタッフに寸志を渡している光景を見たことがある人も少なくないと思います。
しかし、バスの運転手や仲居さんに、本当に寸志を渡す必要があるのでしょうか。また、実際に寸志を渡す場合の金額はどれくらいが相場なのかなど気になることが多くあります。
そこでこの記事では、社員旅行でバスの運転手や仲居さんに寸志を渡さなければいけないのか、渡す場合には金額はどれくらいにする方がいいのか解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
「社員旅行での寸志」といわれても、そもそも寸志というものがわからない人もいることでしょう。
寸志とは、サービスなどをしてくれた人に対して感謝の気持ちを込めて金品を渡すことで、目上の人から目下の人に向けて渡されます。寸志は心付けとも呼ばれます。
寸志とは逆に、目下の人から目上の人に向けた贈り物は「御礼」や「ご挨拶」と呼ばれています。
社員旅行で利用する貸切バスの運転手や旅館の仲居さんへ渡す寸志は、海外でよく耳にするチップに似た部分があります。ここでいう寸志は、バスの運転手や仲居さんに限らず、バスガイドなど旅行中お世話になった人に贈る金品を指しています。
社員旅行での寸志は、先ほど解説したようにお世話になった人への感謝の気持ちです。
運転してくれたバスの運転手や旅館の仲居さんへの配慮は、日本人として当然と思われがちですが、実はバスの運転手や旅館の仲居さんへの寸志は基本的に不要と考えて問題ありません。
気持ちの問題なので、当然寸志を渡しても問題ありませんが、寸志をもらえないから気配りがないなどと考えるバスの運転手はいないでしょう。
もちろん渡してはいけないというものでもありませんし、大人のマナーとして渡すことも問題ありませんので、そこは自由に判断していいでしょう。
ただし、寸志を渡す、渡さないに関わらず、バスを乗り降りする時は一言挨拶をしてあげましょう。バスの運転手も気持ち良く運転できるので、そういった配慮は進んでするようにしましょう。
旅館の仲居さんの場合ですが、こちらも基本的に渡さなくても問題ありません。
宿泊代金の中にサービス料も含まれていますので、基本的には寸志を渡す必要はないのです。旅館によっては、海外のホテルのように寸志の有無でサービスが多少変わるかもしれません。
基本的に日本の旅館は、海外とは違い常に最高のおもてなしを心がけていますので、元々料金設定を高めにしている場合が多いです。また、寸志などを受け取らない人も少なからずいます。
受け取る、受け取らないの押し問答をするくらいなら、言葉で感謝の気持ちを伝えるにとどめた方がいいかもしれません。ただし、特別な手間がかかる仕事をお願いしたり、特別な配慮があったと感じたりした場合は、その気持ちを言葉で伝えつつ寸志を渡すと良いでしょう。
また、大人のマナーとして仲居さんへ寸志を渡したいケースもあると思います。
その場合、客室担当の仲居さんや料理の配膳などのサービスをしてくれる仲居さんに渡すことが基本的なマナーとされています。
先ほど解説したように、バスの運転手や仲居さんに寸志を渡す必要はありませんが、寸志を渡すのであれば相場を知っておきたいものです。
基本的に寸志の相場は2,000~3,000円程度で、ぽち袋に入れて渡すのが寸志のマナーとなっています。
渡すタイミングですが、旅行の最後に感謝の気持ちとして渡す人もいますが、基本的にはバスであれば乗る前に、仲居さんであれば部屋に案内されたタイミングで渡すのが良いでしょう。
寸志は感謝の気持ちですから最後に渡しても問題ありませんが、事前に渡しておくことで、バスの運転手も仲居さんもより気持ち良く接してくれるでしょう。
社員旅行で旅館やバスを利用する際に、バスの運転手や旅館の仲居さんへの寸志が絶対に必要ではないということは理解していただけたかと思います。
寸志は大人としての気遣いや心配りの問題ですので、渡すことも問題ではありません。寸志を渡さないからといってサービスが悪くなったり、接客態度が悪くなったりすることはありません。
サービス料は基本的に代金に含まれているので、寸志を渡したからといってサービスが良くなることもありません。しかし、彼らも人間なので、寸志をもらって悪い気はしないはずです。もしかすると、心なしかサービスが良くなることがあるかもしれません。
当然のことながら「寸志を渡す、渡さない」が重要なのではなく、感謝の気持ちを持って接することが重要なので、お世話になるスタッフに挨拶などで感謝の気持ちを伝えるだけでも、社員旅行を気持ち良く、楽しく過ごすことができるでしょう。